日銀の為替介入の意味

日銀が行うオペレーショの一つが為替介入です。為替介入の意味は、たとえば、最近の円高などを食い止めるために、円を売るという行為、すなわち介入することです。

日本は、輸出大国なので、円安時には、企業の収益は基本的に上がり、円高時には、下がることとなります。最近は、企業も、生産地を海外に移動することや、為替の変動リスクを抑えるために、デリバティブなどでヘッジをすることで、円高に対する体力がついてきましたが、想定以上の円高となると、当然、企業収益はマイナスとなります。ちなみに、2007年の社内レートは、平均105円あたり、100円を割るということは、想定以上の為替差損が起きることになるわけです。

上記の関係上、日銀が行う為替介入は、歴代、ずっと円安時に行われてきました。1995年に79円75銭という安値を記録したことから、100円を割ると、市場では、為替介入観測が上昇。為替介入前に行われる日銀レートチェックなどの噂が出るという形になっているわけです。

日銀の為替介入の効果

為替介入は、日本の政策金利などの番人である、日銀が行います。基本的には、ドルを買って円を売る、そういうことで、ドル円の下支えをすることで円高介入を行うわけです。

ただ、2008年の今回は、為替介入が行われないのでは?という見方が強くなっています。
円高というと、ドル円レートを基準に判断されます。100円を割れるというのは、心理的にショックな出来事ですが、今回は円高以上に、ドル安も進んでいます。ユーロドルは市場最高値を更新中、ドルより弱かったはずのカナダドルは、等価レートことパリティとなり、次は、スイスフランや豪ドルがパリティ超えになるのではと言われています。

ドルの一人負けという状況に対して、全ての通貨に影響する為替介入ができるのか?というのに疑問がつくわけです。また、日銀人事のごたごたで、介入を執行すべき、日銀総裁が決まらないので、そもそも出来ないという事情もあります。

この円高がどこまで続くのかわかりませんが、止めるには、日銀の円高介入などがないとという見方は強くなっています。ただ、効果と実施についてはハテナがつくのが現状。基本的には、日銀の為替介入では、この円高が止められないとの見方が強そうですね。