ユーロ円予想(2008/9/11)
9/2のトリシェ総裁の政策金利発表後のユーロ安容認ともいえるコメントで、大きく下げユーロ円相場ですが、とうとう150円という大事なラインを割ってしまいました。
原因はいろいろ考えられます。まず第一に原油安、一時は147ドルまで上昇していた原油が、100ドル近い水準まで下落、OPECからは、原油安阻止のための実質減産の発表が出るほどで、原油相場に相関性が高いユーロは大きく売られる流れとなりました。
第二の要因は、欧州景気の後退感ですね。トリシェ総裁のほか、ユンケル・ユーログループ議長からもこの件に関してコメントがでていましが、先日、EU委員会からも具体的にGDPがどれほど下げるかという話がでました。これで完全に欧州経済の不景気感はでて、ユーロが売られる流れですね。
そして、最後の要因が円高です。世界経済の失速感の中、株式市場も不調となっています。昔ほど円キャリートレードが盛んではありませんが、ずっと積み上げらてきたクロス円ポジションはまだ残っていますし、株安→クロス円売りという習慣がついてしまっているのが事実。株が低迷すれば、円高になるという流れの中、ニューヨークダウが安値を更新しそうな流れ、欧州株価もさえず、結局円高になっています。
こういういろいろな要因がかさなりユーロ円安となっています。回復には、原油高、欧州景気回復などいろいろな要素が必要ですね。
そして、大事なテクニカル面を見ていかなくてはいけません。週足のユーロ円チャートを見ると一目瞭然なのですが、ユーロ円チャートはトリプルトップの形になっていて、二度底を見たときのレートが152円50銭あたりで、ここが週足でのボリンジャーバンドの下限になります。このラインをわったことも大きいのですが、さらに、週足の200の移動平均線が150円ちょうどあたりに位置、ここも割ったことで、チャート的にヘッドアンドショルダーの形になったわけですね。
ヘッドアンドショルダーの形になった場合、P&Fでは、かなりの下落が予想されます。P&Fの大家の松本鉄郎さんのブログを見ると、146円あたりが目標値とされていますが、150円を割り込んだことで、さらに下落予想が拡大しそうですね。
そのほかのテクニカル的な支持線はもはや存在せず、あるとすれば、月足の一目均衡表の雲の上限140円くらいでしょうか・・・
いろいろ見てみたものの、ユーロ円はかなりの下落が予想されます。何かの材料がでない限りは、買いという選択肢はないように思えますね。